IPSJ Hokkaido

講演会

日時:2022年5月13日(金)13:00-14:20

場所:北海道大学大学院 情報科学研究院 A13教室(オンラインでも配信予定)

題名: 複雑ネットワークはいかにアルゴリズムを欺くのか

要旨:

ソーシャルネットワークや航空網、銀行取引ネットワークなど、私たちは巨大で複雑なネットワークの中で生きている。ネットワークの中で、私たちは、私たちと繋がっている人やモノを介して情報を取得して世界を知覚しているが、言い換えれば我々が知覚している情報はネットワーク構造に依存していると言える。本発表では、ネットワーク構造に起因する人間の認知バイアスに焦点を当て、同様のバイアスがアルゴリズムに対しても生じる問題を議論する。この問題に対して、ランダムネットワークを使ったバイアス除去法を提案し、コア・ペリフェリー構造検出問題、グラフ埋め込み問題へ応用した研究を紹介する。また、バイアスを意図的に利用して、ウイルスや情報の爆発的拡散を効果的に特定する方法についても紹介し、複雑ネットワークが生み出すバイアスを考慮したアルゴリズムの重要性を説く。

講師紹介:

幸若完壮(こうじゃく さだもり)氏は、米インディアナ大学ブルーミントン校所属の博士研究員。北海道大学大学院情報科学研究科で情報学博士を取得後、英ブリストル大学(2016-2019)および神戸大学(2019-2020)にて博士研究員を務め、2020年より現職に至る。複雑ネットワーク、科学の科学、計算社会科学に関する研究に従事。特に複雑ネットワークの構造がアルゴリズムに与える影響の解明、制御、及び活用方法について研究し、その成果を、グラフ埋め込み問題、接触者追跡、コアペリフェリー検出問題、引用カルテル検出問題に応用している。


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