講演者: 藤井海斗(NII)
日時: 2023/12/12(火) 16:30 - 18:00
場所: 北海道大学 情報科学研究院棟 A22講義室
演題:組合せ最適化における局所探索の近似保証
要旨:
局所探索は、組合せ最適化における基本的なアルゴリズム設計の技法であり、 さまざまな組合せ最適化問題に用いられている。本講演では、局所探索を 理論的に解析する手法(の一部)を概説し、劣モジュラ最適化および サンプリングとの関連について紹介する。また、講演者の研究成果である、 局所探索によって近似解が求まる条件と、そのスパース最適化への応用 についても述べる。
世話人:宮原英之(北海道大学)miyahara@ist.hokudai.ac.jp
講演者: 道下 佳寛 (理化学研究所)
日時: 10月13日 14時45分 ~
場所: 北海道大学 情報科学研究院棟 A22講義室
演題: 強化学習による理論解析手法の開拓〜AlphaZero For Physicsに向けて〜
要旨:
近年の機械学習分野の目覚ましい進展を受け、物理学(特に物性物理)の分野においてもその手法を取り入れ上手く適用しようという動きが出てきている。例えば、実験・数値シュミレーション結果の判断[1,2]や、ニューラルネットワークに量子状態を表現させエネルギー等について最小化して基底状態・定常状態を解く手法[3-5]や、これまでの実験データを学習データとし物性を予測させるマテリアルインフォマティクス[6,7]などがある。これらは、あくまで数値シュミレーションや実験分野への適用であり、理論解析手法の開拓に対する機械学習の応用の事例は皆無であった。
そこで本研究では、「物理の有用な理論解析手法の探索」を、グラフ理論の意味での木の表現を通じて、「ある種のゲームの最善戦略の探索」の問題にマッピングし、それを強化学習(特にAlpha Zero)のアルゴリズムを用いて解くフレームワークを提案する。また具体的な問題について適用し、実際に既に知られている解析手法を「発見」できる事を例示する。
本セミナーでは、まず、物理学の研究における基本的な問題意識と、特に量子多体系におけるいくつかのモデルとその理論解析の処方箋を、わかりやすい簡単な例を用いていくつか共有しする。さらに強化学習手法について説明した後に、物理の問題をどのようにして強化学習に解かせ、理論解析手法を開拓していくのかについて議論する予定である。
Reference
[1] J. Carrasquilla, et al, NPhys.: 13, 431-434(2017)
[2] V. Bapst, et al, NPhys.: 16, 448-454(2020)
[3] G. Carleo, et al,Science: 355, 602(2017)
[4] Y. Nomura, et al, PRB:96.205152(2017)
[5] N. Yoshioka, et al, PRB:91.214306(2019)
[6] A. O. Oliynyk, et, al,ACS: 28, 20, 7324-7331(2016)
[7] S. Wu, et al, Comp. Mat., 5, 66 (2019)
世話人:宮原英之(北海道大学)miyahara@ist.hokudai.ac.jp